Nesiocoelotes nasensis (Shimojana, 2000)
ナセヤチグモ♀.
2017年3月,奄美大島にて.
奄美大島および加計呂麻島から記録がある.
Okumura & Zhao (2022)による分子系統解析および形態形質の検討に基づき,シマヤチグモCoelotes insulanus Shimojana, 2000を模式種として新属Nesiocoelotesが記載された.
Nesiocoelotesを構成する種は,ゴトウヤチグモN. gotoensis,シマヤチグモN. insulanus,コシキジマヤチグモN. koshikiensis,ヤクシマヤチグモN. osamui,ナセヤチグモN. nasensisの5種である.
属名はギリシャ語で「島」を意味するnisiotikósに由来.構成種がいずれも小離島に分布することに因む.
属徴は以下の通り.
・♂触肢は大型の膝節突起(patellar apophysis)を有する
・外雌器前縁中央から後縁に向かって1対の外雌器突起が伸びる
中国大陸に分布するBifidocoelotesおよびTonsillaは本属に類似するが,以下の特徴により区別可能.
・Bifidocoelotesにおいては1個の突起が途中から二分岐する
・Tonsillaは外雌器に大きく明瞭なatriumを有する
(1)ナセヤチグモ♀背面図,
(2-3)外雌器腹面図.
Scales=5mm(1), 0.5mm(2-3)
引用文献
Okumura, K. & Zhao, Z. 2022. Taxonomic revision of six species of the subfamily Coelotinae (Araneae: Agelenidae) from Japan accompanied with the description of Nesiocoelotes gen. n. Acta Arachnol., 71(2): 93–103.
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