2018年9月29日土曜日

Bijoaraneus komachi Tanikawa, Yamasaki & Petcharad 2021

ビジョオニグモ

▶Back to Araneidae

ビジョオニグモ♀。

2018年10月、茨城にて。

本種は長らく、カンボジア産の個体に基づき記載された「Araneus mitificus」として同定されていた。しかし、日本産個体は真のAraneus mitificusとは形態的に区別可能な未記載種であったことが判明し、新種として記載された（Tanikawa et al. 2021）。また、本種やA. mitificusを含むグループはオニグモ属の他属とは形態的に区別可能であり、ミトコンドリア COIおよび16S-rRNA、核18S-rRNA、28S-rRNA、ヒストン3遺伝子を用いた分子系統解析により単系統性が支持されたため、新属Bijoaraneus Tanikawa et al. 2021として記載された。なお、属名は「美女」に、本種の種小名は美人を意味する日本語「小町」に由来する。

近縁な属Aoaraneus Tanikawa et al. 2021との識別点は以下の通り。

・外雌器垂体は短く硬い(Aoaraneusは長く柔軟で皺のよった垂体を備える)。

・♂触肢の端部突片(terminal apophysis)をは短いか欠く(Aoaraneusでは長く発達)。

・♂触肢は亜端部突片(subterminal apophysis)を欠く(Aoaraneusは備える)。

・♂第一脚基節に小突出を備える(Aoaraneusは欠く)。