2019年10月8日火曜日

 Nesticus abukumanus Yaginuma, 1979 


アブクマホラヒメグモ


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アブクマホラヒメグモ♀。
2019年10月、福島にて。

福島県および茨城県に分布するホラヒメグモ属の一種。
タイプ産地は福島県田村市滝根町(原記載の”Tokine-cho”は誤字と思われる)の鬼穴。
茨城県では阿武隈高地最南端に位置する大久保の風穴にて、地表から得られている。
写真の個体は崖地の窪みに造網していた。

(1)アブクマホラヒメグモ♀背面図、
(2)外雌器腹面図。
Scales = 1mm (1), 0.5mm (2)

背甲周縁の暗色斑を欠くことおよび外雌器の形態が原記載とよく一致したことから本種として同定した。ただし、原記載では「歩脚の環紋は弱い、あるいは消失する」と記述されているが、写真の個体では明瞭にみえる。加えて、採集地点がタイプ産地から離れていること、♂が得られていないことなどから、今後別種として再同定される可能性も否めないことに留意されたい。

引用文献
Yaginuma, T. 1979. A study of the Japanese species of nesticid spiders. Faculty of Letters Revue, Otemon Gakuin University 13: 255-287.


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